メガバンク(法人営業)を志望している就活生のみなさん、入行1年目の新入行員がどのような業務をしているか、イメージできていますか?
- プロジェクトファイナンス
- M&A
- シンジケートローン
志望理由としてはこれらのような社会に大きな影響を及ぼすような仕事がしたい!と考えている方が多いのではないでしょうか。
新入行員がそのような仕事にいきなり携われるかというと、ほぼ不可能であることは理解しておいてください。
プロジェクトファイナンスやM&Aは基本的な商品の応用という形になるので、ある程度の知識・経験が必要となるためです。
新入行員はまずどんなことをするのかお伝えしましょう。
新入行員の仕事は「勉強すること」
残念でした。1年目の仕事は「勉強すること」です。
どんなことを勉強するのでしょうか。
「銀行ってお堅いよね」
「なんでもかんでも細かそう」
このような声はよく聞きますし、間違っていません。覚悟してください。
勉強①:手続やルール
そもそも銀行ではほぼ全ての行動に対して手続やルールが定められています。
それは銀行全体で定めている手続もあれば、各部署で独自に定められたルールがあるのですが、それらを知らないとそもそも何もできない。
初めのうちから手続・ルールを知る、理解することが不可欠となります。ただし膨大な量が多いので、OJTなどを通じて少しずつ学んでいくようにしましょう。
銀行全体の手続というと、預金・為替・貸出など業務的なものなどで、支店独自のルールというと、何時から出勤をしても良いか、スケジュールの立て方など、めちゃくちゃ細かいことは知っておいてネ。
勉強②:商品知識
銀行の商品と一言で表現しても、莫大にある全ての商品を把握している銀行員は存在しません。
一般的には預金・為替・貸出を想像される方が多いかと思いますが、預金一つとっても普通預金と定期預金は商品性が違います。
まず、基礎的な商品の正しい知識をしっかり勉強していくことになります。
新入行員は商品知識等を確認するテストを一斉に受け、点数に応じた順位付けがされます。
複数科目のテストを受けるので、まさに学校の試験です。
点数は高いに越したことはないですが、低いからと言ってその後のキャリアに大きく影響するかというとそうでもないので、その後のがんばり次第かな。
勉強③:資格試験
新入行員として慣れない業務をこなした後、あるいは休日には資格試験の勉強が待っています。
- 証券外務員
- 生命保険募集人
- 損害保険募集人
これらの資格は銀行業務を行う上で当然に持っておかないといけないので、ほぼ全員が取得しています。
加えて、取得が推奨されるのが、
- ファイナンシャル・プランニング技能士(通称FP)
- 簿記
- 宅建士
- 中小企業診断士
- 証券アナリスト
- TOEIC
- ITパスポート
- データサイエンティスト
などが代表的です。特にITパスポートやデータサイエンティストは最近のDXの流れを受け、推奨され始めました。
新入行員のうちに全て取りなさいというものではないけど早めに取っておいたほうが・・・。
私は学生時代に簿記2級と宅建とFPを取得したから、気持ち的には楽だったなぁ。
勉強④:銀行員としての立ち振る舞い
長い銀行員生活を送るにあたっては、結局これが一番大切です。
人事制度は今後変わっていくことは間違いありませんが、まだまだ年功序列なので、先輩=偉いという空気は残っています。
後輩は後輩らしく、雑用(荷物運び、コピー取り、飲み会の手配)などを嫌がらずに行い、慕うべき人を見極めて可愛がってもらうことが、後々の仕事のやりやすさに繋がります。
銀行業務、特に法人営業は自分一人で完結する業務がないことは知っておいてネ。誰かの助けを借りながら進めていかないといけないので周りとの良好な関係作りが一番大事。
以上が新入行員の仕事です。結論としてはやはり色々な「勉強をする」ということです。
最初から専門性は身につきません。まずは基礎を固めて、幅広い経験を積んで、自分の望む分野に進んでいくことになります。
逆に、入社してすぐにプロジェクトファイナンスやM&Aなど専門的な仕事をしたいと考えているのであれば、それらに特化した会社を選びましょう。
新入行員が何をやるのかイメージできましたでしょうか。
入社前と入社後のギャップがあるとそれだけで早期退職の原因となり兼ねませんので、可能な限り具体的なイメージをもっておきましょう。
それではアデュー。
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